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歴研12月号の月報森田論文

本誌の方は小沢弘明のつまらない回顧だったが
会報の森田喜久男の回想には一々納得した。
というより自分の体験と瓜二つだ。委員の時期は
私が5年程古いのだが、科学運動担当までいっしょ
だった(正直委員会のメンバーが羨ましい)。
瓜二つの体験と感性ーーただひとつ違うのは
森田氏が古代史部会、私が中世史部会
だったことで。実はこれが天と地ほど違う。
あー。わたし良かった。中世選んだの偶然だけど

森田氏とは何か大切な接点が過去にあったのだが
忘れてしまった。でもこの会報は別置永久保存しよう。

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危険な画像・仏像 中央系奇瑞伝承

大塚氏と会えなかったので友人重鎮に
ご質問。(西岡じゃない、多忙そう)
「本題。春日明神の天井降臨は社家の広報、
宗光妻に憑依は喜海&宗業の合作、
糸野前は宗光と無関係(正妻ではない)
と明言している先行研究ありますでしょうか。」
棟梁託宣取詮
阿弖川荘の史料に出てくる宗氏の母は明らかに別人
宗光妻が複数いることは研究者の常識
春日社系の奇瑞伝承が湯浅系の伝承を凌駕していく
状況については、まさに肝だ。
私の講演聴かないで塔つくりに現を抜かしてるから
こうゆうボケた質問をする
取詮心中超訳
そうか。目が醒めた。さっそく浄教寺に見に行こう。
坂本学芸員に頼んで師の講演レジュメもらおう。
ここで
重要につき託宣は秘密 別記すー教えてやらない
と書くのが喜海組の常道です。常習犯。

ちょっとだけ伝記類の宗光妻と夢記類の糸野御前
比較検証してみた。私の好きな明恵抱いて空中飛行
する夢が、すでに紀州を遠く離れた後世の夢なの
気になる。あとプレゼントされた数珠の糸が切れる
夢も年不詳で。岩波文庫の久保田淳校・山口明穂
注が誤り拡大普及のはじまりか(p265の糸野の御前註)
 行状をさらに編集という明恵上人伝記には糸野御前も
宗光妻憑き落としも何もでてこないで春日託宣は
事多きにより別記とする。平泉の講談社学術文庫版

さてつぎつぎ課題が 。善妙像に仮託の摩耶御前宗光娘?は
離婚のために平岡善妙寺行きなのか
かえすがえすも図像にした、というのは強い。
絵画史料こそ難しい。

大塚紀弘「高山寺の明恵集団と南宋」再読

⤵ブログランキング26位か 塔が傾く 
既往の中世宗教 地図を刷新する画期的な研究だ
と周辺には喧伝してうるさがられていたが。
先週在国のままお会いできるかと楽しみにしてたが
甘かった。都会の多忙学者は在和時間2時間半で
日帰り帰国してしまった(私が飛んで埼玉みてる間に)。
 そこで著書5章だけ再読して見た。
雑な民衆史の私には本論文の命の部分
高山寺聖教の逐条分析集成(p158~169
の一覧表)は検証できない。が、それでも。
① 俗説排した明恵伝の再現(糸野御前など一切出てこない)
② 喜海・定真系の伝記にはほぼ一切出てこない指摘
③ 沈黙史料・宗教史料から再現できる世界。
 私の様な明恵知らずうろ覚え老人には①が
ありがたい。再読して痛感した。この知識だったの
忘れて一人で大きくなった気になってた。
②は一番すごいところ。私なら「喜海教団のフェイクを
暴いた」とか大々的に吹聴したが。あくまで淡々。
表にして。これでわからん馬鹿は相手にしないという大人。
③は元学芸員なので。これ見ていて塔を立てねば
わからない、とサブリミナル効果になったか。

 正直、この論文無しには、明恵を大言壮語のホラ吹き
ゆめうつつ人間と思っていただろう。喜海行状やら伝記
やらに記された表層にだまされて教団の恐るべき実態
見失っていただろう。たまにはこういう超発見でもないと
前近代史なんかやってられない。
それにしてもこの教団が
師亡き後バラケテ各種禅宗・律宗教祖たちの下に潜んだか
と思うと。おそるべし日本中世宗教史。予告編の続編待たれる

psついでにブイブイ誌の聖なるウナギ論文にも再挑戦。
いつも難しくて途中で投げ出していたが、今日は
明恵論骨格がわかったので読めた!註は流し目で
附記までだけど。

「一家に一冊ミネルヴァ本」世界和歌山県人

太地桜井氏・串本稲生氏から県の紀州学の
動向
を聞いた。12月9日に稲生報告があることや
元祖地域世界史の藤村氏が評価してるとの話も。
新政権は歴史に無関心・冷淡な人だから、
端境期利用して立ち上げておく、というのは
よく理解できる。勤務先でも新学長就任前に
みた風景だから。でも結句全然機能してないお荷物。
本題
紀伊半島世界史研究会を立ち上げて即席で
成果を世に問うたのが2018年、大手のミネルヴァ。
郷土誌系学問・観光の類書は出たが、これに続く
歴史教育の動きはなかった。前知事がミネルヴァを
評価して紀州学の組織を命じた、という話は
本当らしい。鶴の一声で武家長屋門の保存を
決めた伝説ある葵御紋大好き知事だったから。
それなら研究会立ち上げ本が出た時に協力
してくれればいいのに。こんな落日の手土産で
宣伝されてももう本が残ってない。一刷り廃版
なんて本当にわが生涯最大の屈辱だ。2018年
時点で県がータイトルー と号令していれば
いまごろ10刷りでミネルヴァもよろこんでシリーズ化が
進んだだろうに。呉座君には勝てないだろうが。

待望の新著到来

和歌山の「トウダイ王」と呼ばれている男
稲生淳著『明治の海を照らす』ついに刊行!
去年の今頃に再校ゲラをもってるところ見た
から、今年の春には刊行と思っていた。が、
そのうち立塔・立珍に執心していつしか忘れた。
このまえトウダイの日11/1におや?と気に
なったが、夢記史料批判でまた霧中夢中に。
副題が灯台とお雇い外国人ブラントン
この表紙は神子元島灯台 凝ってる
IMG_2023-11-23-12-00-05-479.jpg
(さっそくフライアで沈潜した)
灯台への固執が、ブラントンへの執心へ。
村井さんが紹介した陸奥宗光日記の灯台も
視野に収めている。再校から刊行迄まる一年
という話で、知ってる人は「ああ、稲生さんだな」
というに違いない。紀南の豪放な外見に
よらず、なんとも繊細で慎重で神経いきわたった
人柄をうかがわせる。念校にたどり着かないだろう。
? と思う出版社は、第一論文集熊野 海が紡ぐ近代史
出した編集者の西村篤氏と再結成タッグ。
いつも装丁・図版が凝ってる、元学芸員的には
見逃せない才気だ。ミネルヴァはおこぼれに預かった。
https://www.7gatsusha.com/books/1235/
これ読んでくれた出版人は自誌紙に掲載ヨロシク。

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和歌山大学教育学部海津ゼミ(日本史)のブログです。

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