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歴史を書くとき② 天長の東北大地震

さて、本日の史料研究は視聴済みだろうか。
一番ひっかけなのは編纂物の史料価値が
低いというあたりだろうか。

今日は『日本後紀』の最後の方、天長年間
みていたのだが。毎日が地震のような
とてつもない連年の果てに出羽大震災が発生。
この「きっかけ」が、空海による呪願と講説
(仁王護国般若経・天長2閏7/19 於宮中)

のように書かれているように思えてならない。
この空海の作文は、「五大力菩薩が輪剣を
振るって魔物を下す」「帝釈天が悪鬼の軍勢を
打ち破る」など、祈禱=神戦のイメージをはじめて
リアルに再現したものとして注目される。

でも、地震・疫病・俘囚蜂起は絶え間なくて、
とうとう天皇は「私の責任」、大臣緒嗣は「いや
悪臣の▲▲のせいだ」と、天災を天の刑罰=
天譴とする徳政思想を表白した。
ここで運命の天長7年正月3日酉の刻am8:00
「秋田城顛倒、地割れ30丈、秋田川渇水(底ヒビ)ー」

これは史料研究でも読み解く有力候補だな、
「中世のはじまり」 空海にも責任一端
ということで、集英社版の『日本後紀』借りてきた。
さすがに全訳本ではダメだろう。非対面続くならやってみようか、大地震は誰のせい?

おどろくのは貞観地震にも匹敵ようかという
この天長の地震列島を、集英社刊本も
講談社学術文庫刊本も、まるで解説を
していない。巻末年表にさえ触れていない。
歴史を書くことはまだまだあるよ。覚えるのじゃなくて。
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