「親鸞」展総括
2023年の学界でひときわ輝いたと回顧される
だろう親鸞展。
最近、龍谷で講演してきた西岡芳文が長文ブログで
「中世の資料を中心に構成されているので、それなりに珍しくはあったが、本質にせまる解説は少ないように思われた。」
俺と同じ意見だ、ｸｽｸｽ 立命館大学のウェブ公開
「近代京都オーバーレイマップ」の使い方
教えてもらったのもありがたかった。
私の方は展示はほとんどイミフだったが、
下準備で小山聡子『親鸞の信仰と呪術』を
ツンドク起こしたら、なんと芥子焼き護摩は
通説の言うようなカラシナではなくして、
麻薬毒物アヘンの芥子ポピーであること。
護摩祈禱は麻薬拡散によるエクスタシー
幻覚をもたらすと断定している（第一章）。
驚愕 これ学説史上どうなってるのか
2013年の著書、もうひと昔
オーム真理教事件がおこった1990年代、
歴史学界は教祖麻原のイニシエーション
（麻薬使用の洗脳布教）の源流が日本
宗教にあるのか、躍起になって探したはず。
ばかにサラッと書いてくれたが。
これも我が親鸞展の副産物。中世異端の
親鸞から、最悪の呪術研究を知るというのも皮肉だが
本日の大教室講義は奇しくも「アヘン帝国和歌山」
中世ではなくアジア太平洋戦争期だが
この著者の集めて読んでみた。2020のもののけ中公新書
でも意見が変わってない。論証・組立その他まるで納得
できない。ので、西岡や大橋に「こんなんで良いのかい？」
と打電したが。ほとんど折り返しの即答で御異見いただいた。
中公新書のほうから挙証 ｐ44-
モノノケ調伏の修法 護摩木に点火し供物を投じる調伏法
「実は」供物のなかに毒性あるものあり
たとえば
『四種護摩抄記』 真言僧淳祐890-953著
「附子busi」＝トリカブト
「毒有る木」
「毒有り臭気有る花」
「毒薬の汁」
「白芥子byakukesi」＝唐から輸出の罌粟
『六種護摩抄』 真言僧実範?-1144著
「附子」
「毒木」
山折哲雄の『神秘体験』薬物による幻覚は世界一般
これではいくらなんでも。と、論文集を確認すると。
『親鸞の信仰と呪術』「芥子焼による病気治療」ｐ22-27
「ところで」と軽くアヘン説を否定する通説（カラシナ）を紹介の上
『信貴山縁起絵巻』「縁起加持巻」芥子坊主の従僧
薬物修法暗示 平安期にはアヘン芥子ポピーある
『建立曼荼羅次第法』天台僧遍照816-890
白芥子 5色ケシ白は唐で採れる 黄色＝カラシナ 赤＝菜種 青＝大菜 黒＝高菜
『三昧流口伝集』巻下 焼き油は芥子油子の細を用いるべし 但し日本に稀
『小右記』治安3・閏9．25 1023 白芥子使われる
単にカラシナのみでない。
『下学集』15ｃ半 白芥子 米嚢異名 ホビー
『六種外護摩略記』真然804-890作
芥子焼供＜若芥子 毒薬 印青塩頭 鉄末酢 ５物和合＞
『四種護摩抄記』 （真言僧淳祐890-953著）
降伏法 芥子油以て若毒薬汁
芥子の種は白色、種を投じる パパベリン、モルヒネ、ナルコチン含有
諸外国 現核物質が用いられてもごく自然のこと（）
両署で挙証をダブらせていない（中公新書も
学術書？）としているのは、著者の研究スタンスを
しめすものとして興味深い。新書を学術書の
「翻刻普及版」と考えている研究者が多いので。
いま思い出したが、西大寺律宗系の修法
「けむり護摩祈祷」を今も実践している
佐賀県東妙寺（吉野が里遺跡内）では、
本堂を密閉して護摩の煙の中に小一時間
閉じ込められる。本堂内善男善女ぎっしり、
苦しくてよく倒れる人がいないと思った。
1人で行くの怖かったので、さして親しいわけ
でもないが、論文で尊敬してる吉良さん、
桃井さんを誘い出していっしょにおこもり。
若かった私でも失神10秒前で、宗教的
エクスタシーはたしかに感じた。ただの煙で
そうなのだから、あれに麻薬媚薬が炊かれたら
普通ではいられないだろう。
親鸞展3回も行ってる場合ではなかった…
今年の煙護摩は終ってしまった。5/21
実践するという
この話は大教室の最終講義で念押ししておくか。
「NO！ドラッグ。危ない団体に近づくな。」
だろう親鸞展。
最近、龍谷で講演してきた西岡芳文が長文ブログで
「中世の資料を中心に構成されているので、それなりに珍しくはあったが、本質にせまる解説は少ないように思われた。」
俺と同じ意見だ、ｸｽｸｽ 立命館大学のウェブ公開
「近代京都オーバーレイマップ」の使い方
教えてもらったのもありがたかった。
私の方は展示はほとんどイミフだったが、
下準備で小山聡子『親鸞の信仰と呪術』を
ツンドク起こしたら、なんと芥子焼き護摩は
通説の言うようなカラシナではなくして、
麻薬毒物アヘンの芥子ポピーであること。
護摩祈禱は麻薬拡散によるエクスタシー
幻覚をもたらすと断定している（第一章）。
驚愕 これ学説史上どうなってるのか
2013年の著書、もうひと昔
オーム真理教事件がおこった1990年代、
歴史学界は教祖麻原のイニシエーション
（麻薬使用の洗脳布教）の源流が日本
宗教にあるのか、躍起になって探したはず。
ばかにサラッと書いてくれたが。
これも我が親鸞展の副産物。中世異端の
親鸞から、最悪の呪術研究を知るというのも皮肉だが
本日の大教室講義は奇しくも「アヘン帝国和歌山」
中世ではなくアジア太平洋戦争期だが
この著者の集めて読んでみた。2020のもののけ中公新書
でも意見が変わってない。論証・組立その他まるで納得
できない。ので、西岡や大橋に「こんなんで良いのかい？」
と打電したが。ほとんど折り返しの即答で御異見いただいた。
中公新書のほうから挙証 ｐ44-
モノノケ調伏の修法 護摩木に点火し供物を投じる調伏法
「実は」供物のなかに毒性あるものあり
たとえば
『四種護摩抄記』 真言僧淳祐890-953著
「附子busi」＝トリカブト
「毒有る木」
「毒有り臭気有る花」
「毒薬の汁」
「白芥子byakukesi」＝唐から輸出の罌粟
『六種護摩抄』 真言僧実範?-1144著
「附子」
「毒木」
山折哲雄の『神秘体験』薬物による幻覚は世界一般
これではいくらなんでも。と、論文集を確認すると。
『親鸞の信仰と呪術』「芥子焼による病気治療」ｐ22-27
「ところで」と軽くアヘン説を否定する通説（カラシナ）を紹介の上
『信貴山縁起絵巻』「縁起加持巻」芥子坊主の従僧
薬物修法暗示 平安期にはアヘン芥子ポピーある
『建立曼荼羅次第法』天台僧遍照816-890
白芥子 5色ケシ白は唐で採れる 黄色＝カラシナ 赤＝菜種 青＝大菜 黒＝高菜
『三昧流口伝集』巻下 焼き油は芥子油子の細を用いるべし 但し日本に稀
『小右記』治安3・閏9．25 1023 白芥子使われる
単にカラシナのみでない。
『下学集』15ｃ半 白芥子 米嚢異名 ホビー
『六種外護摩略記』真然804-890作
芥子焼供＜若芥子 毒薬 印青塩頭 鉄末酢 ５物和合＞
『四種護摩抄記』 （真言僧淳祐890-953著）
降伏法 芥子油以て若毒薬汁
芥子の種は白色、種を投じる パパベリン、モルヒネ、ナルコチン含有
諸外国 現核物質が用いられてもごく自然のこと（）
両署で挙証をダブらせていない（中公新書も
学術書？）としているのは、著者の研究スタンスを
しめすものとして興味深い。新書を学術書の
「翻刻普及版」と考えている研究者が多いので。
いま思い出したが、西大寺律宗系の修法
「けむり護摩祈祷」を今も実践している
佐賀県東妙寺（吉野が里遺跡内）では、
本堂を密閉して護摩の煙の中に小一時間
閉じ込められる。本堂内善男善女ぎっしり、
苦しくてよく倒れる人がいないと思った。
1人で行くの怖かったので、さして親しいわけ
でもないが、論文で尊敬してる吉良さん、
桃井さんを誘い出していっしょにおこもり。
若かった私でも失神10秒前で、宗教的
エクスタシーはたしかに感じた。ただの煙で
そうなのだから、あれに麻薬媚薬が炊かれたら
普通ではいられないだろう。
親鸞展3回も行ってる場合ではなかった…
今年の煙護摩は終ってしまった。5/21
実践するという
この話は大教室の最終講義で念押ししておくか。
「NO！ドラッグ。危ない団体に近づくな。」
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