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酒井紀美の「天空高く伸びる塔」

↑16位か みんなが塔に注目してくれているようだ
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京都出張時は夢記も持っていた(その下に
見えてる本は善妙寺への観光ガイド)
明恵が夢記の中で糸野御前という女性を
「善友御前」のコードネームで呼び渇行する
のは良く知られている。この人が喜海らの
記録によると春日明神の憑依した託宣女の
橘氏女で、これは湯浅党の宗業(糸野の息?)
も同じ意見である。ここには夢記をもって、
弟子・檀家の伝記を排するという難しい、
(支持されにくい)操作が必要となる。ここまでは
いつも書いており、それでは明恵作という元久2年
12月願文のなかの春日宣託記事をどうするのか
というところが焦点となる。これは田中久夫氏が
「秘密勧進帳」と呼んでいる聖教の事だろう。
これを偽文書ないし喜海&宗業の作とするのには
よほどの手続きが必要で私はヨウしない。

長い前置きで 酒井さんの明恵研究。
夢の第一人者酒井さんは夢記についてはほとんど
正面から論じてない。が、本質的な急所を刺してる。
明恵が夢記述をはじめる濫觴(『夢の日本史』p29ー)
死ぬ予兆として「天空高く伸びる塔」に登る話(p73ー)
ここで漢文行状(喜海編著)と明恵聖教(●△◆■ー
冥感伝)との一致を説いて論述する。筋立てはさすが
酒井さん、読ませるものがあるが、漢文行状への依拠
けっこうショックだった。積年の碩学たちの積み重ねが
良いと言ってるのだから巻かれればばいいじゃないか
♪という悪魔のささやき。
 善妙神故地めざす白糸川谷に墜落して遭難しかかってた時に
私の聴いた声は違ったなアー ほんとのことを広めて欲しい
妙音・異香・甘葛はしなかったけど。
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漢文行状(中)と秘密勧進帳の比較くらいは
やっておいた。刊本レベルだが。大きな差は、
喜海が「宗光妻室橘氏29歳」として憑依者を結び付け、
託宣の現場が7、80人の群衆が感激したとスポットを
当てる。一方勧進帳が、春日神の香・音・味・外見を
必死にたとえを用いて説明する(ex水晶の様な顔色etc)
のに対して、喜海組は「不思議(香)」「不可説(音)」など
語彙が平板貧困である。勧進帳は、春日・善妙社の勧請
のための金集め事業広報なので、リアルな奇跡の
再現が必要だったのだろう。
 このような抑制された秘密の場面は、春日権現絵巻に
よって、女の飛翔、度々の憑依出現、群鹿の服従etc
一気にタガの外れた橘氏女・奇跡の場面に変化する。
多くの識者は、<明恵と春日明神の出会い>をこの絵巻
から影響され発想しているに違いない。
 私は、糸野御前(明恵の求愛者)と春日神託は無関係
として考えておく(喜海組の創作)。顕現した春日神が
老翁姿であることは(国文系の考証に常識)いうまでもない。
糸野など館在所を冠した夫人名は、糸野御前が複数夫人
の一人であることを意味するものであろう(おそらく正妻でない)。
*秘密勧進帳の「小室」「室内」が奥方の胎内を意味するという訳法の可能性は残るが
こうゆうことを躍起になって主張すること自体が喜海組の罠に
落ちたと自覚する。糸野がどんなひとだろうと、それは明恵の
夢記のなかだけにしかない、に尽きる。
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